果実成熟期に一滴も雨が降らなかった点はこの年の特筆すべき事象です。
2020年収穫時期には気まぐれな天候に悩まされましたが、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社のぶどう栽培担当者および醸造担当者らの専門知識、的確な灌漑技術、収穫適期の決定、それらのおかげでぶどう畑では非の打ち所がない管理環境が維持できています。その結果、アロマ、ストラクチュア、そしてエレガンスの調和が見事な、テロワールの魅力が存分に引き出された味わいに仕上がっています。

育成・熟成
20%のワインはオーク材の新樽内で、その他80%は1回使用樽内で12〜14カ月間育成・熟成を行なっています。
ぶどう品種
チリの単一品種基準が75% にとどまる中、同ワインは100% 単一品種にこだわっています。カベルネ・ソーヴィニヨンはタンニンのなめらかさをワインにもたらし全体をバランス良く整え、カシス、ペッパー、リコリスの風味が特徴的です。熟成ポテンシャルにも優れ、時間とともにストラクチュアはさらなる丸みを帯びるでしょう。
テイスティングコメント
野生の果実 ; ブラックペッパー ; 濃厚さ ; 果実感
外観
香り
濃厚でエレガントな香り。カシスやブラックチェリーを思わせる果実のニュアンスが力強く香り、アジア系スパイスやブラックペッパーと、樽内での育成・熟成からもたらされる煎ったアーモンドやタフィーのニュアンスがほのかに香り、調和良く交じり合います。
味わい
アタックから複雑味と力強さを感じます。実に芳醇でバランスの良いストラクチュア。
フルボディでいてエレガント。みずみずしい風味が全体を巧みに支えます。
十分に熟したタンニンは上質かつエレガントで絹のようになめらか。
チェリーや野生のブルーベリーが主体の果実味がたっぷり広がります。
凝縮感とバランスの良さが印象的な後味。
ブラックベリーやブラックペッパーの風味が余韻に残り、含みには煎ったアーモンドやモカのニュアンスが香ります。
後味の余韻にはエレガントな風味が残ります。
マイポ・ヴァレーのテロワールで育つカベルネ・ソーヴィニヨン特有の芳醇な味わいが楽しめます。